No Escape from Syntax

https://sugiura-ken.org/blog/2017/06/06/4286/

Marantzは、語形成も統語規則で説明できるのだからと形態論の在り方に向けて警告を発したわけだけれど、要素とその規則的な関係ととらえれば、むしろ語を超えたレベルでも「統語規則」が働いていると考えるべきだろう。
発想としては、Construction と通じるところがある。(すべてのレベルの言語単位がConstructionである、と。)
そうした統語関係を無視したLexical Bundleというものは、言語学的に実在する単位とはいえない。
たまたまそれが、複数の語からなる「何らかの」単位と一致したとしても、それは、Lexical Bundleが何らかの単位だということではなく、「何らかの単位」が、複数の語から構成されているということに過ぎない。何が「何らかの単位」を作り出すのかといえば、Syntax以外にない。
「統語から逃げるな」というより、「統語から逃げられないよ」ということだ。ありがたい教えだと受け取るべきでしょう。