柴田・杉山・鈴木・金・行場・小泉 (2006)

「日本語節内かき混ぜ文の痕跡位置周辺における処理過程の検討」 Cognitive Studies, 13(3), 301-315.
 
先行研究のレビューと研究課題の設定、実験手法の提案が、非常に良く書けていて感心。
ところが、結果が、予測通りにはきれいにでない。しかし、逆に言えば、結果がそうであれ、その結果が出る以前の段階が非常に良く考えて書けているので、結果が予測通りでないにせよ、論文としては立派な論文と評価される。
むしろ、なぜ予測通りに出なかったのか、そこを「さらに」突き詰めて調べたい気を起こさせるという点で、啓発的であり、プラスに評価される。
見過ごされている点は三つ:
1)聴覚提示した文章の読み上げにおけるプロソディーの影響
2)実験文の有生性
3)文中のどの位置でかき混ぜが起きるかという位置の問題
いかがでしょうか?
 
あぁそうか、「活性化」と「処理負荷」という概念が具体的に何をさしているのか、という点の詰めもほしい。

コメントを残す