N400とP600

意味が変だと出るN400、統語が変だと出るP600といわれている脳波が、刺激文によってはそうならないことがある。
それはどうしてか、という研究が今日のLunch Talk。(Lunchはピザ)
中国語母語話者で、有生性の影響と意味役割の入れ替えの2要因で実験。部分的に仮説がサポートされる。
意味のプライミング効果は長くは持続しないということをふまえて、リニアな距離を変えて追加実験をしてみて、その結果をもとに考察。
テーマも面白いが、話の筋立て、議論の持っていき方もうまい。
ただ、実験文で、基本はSVOの中国語で、SOVの文型をとるBA構文を使っての実験。BA構文か受動態だと中国語でもVが最後に来るのだそうだ。しかし、基本はSVOなので限られた文型だと実験文が作りにくいということをトークの後で話してくれた。日本語でやったら実験文は作りやすいだろうに。
 
先週のトークがダメダメだったに比べ今日のはスガスガしい。
 
本人が気づいているかどうか、言及がなかったのでわからないが、この研究は、そもそも脳波はどういう時に変化するのか、何を測っているのか、という非常に本質的な部分に切り込んでいて、結果によっては非常に重要な研究になっていく可能性がある。

フロアーからの質問・コメントも「有生性って最近言う人が多いけど、それっていったいなんなの?他の概念ではまとめられないものなの?」とか「有生性そのものじゃなくて、それをふまえた構文とかそういうことが影響してるんじゃない?」という本質的な疑問が出てきて面白かった。

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