予期せぬ結果

昨日はK君のD3の発表。差が出ることを予期して実験したのに、一番出てほしかった所だけが予期に反して差が出なかった。その上、当然影響あるだろうと予期したグループでは、予想したのとは逆の結果が出てしまった。

どうするか?

これは、「結果が出なかった」わけではなく、結果は出た。それが予想とは合っていなかったということ。

どうするか、は、どうしてこうなったかを考える。

1)実験方法がずさんで、結果が信頼できない

2)運悪く、偶然そうなった

3)予想が間違っていた

4)何か予期しなかった要因があった

出来の悪い研究では、1番の可能性が高い。しかし、K君の実験は、実験方法については他の先生からもまずい点は指摘されなかった。

2番の可能性は否定はできない。では、どうするか。偶然かもしれない、というのであれば、それが偶然かどうかを確かめればよいだけのこと。つまり、追実験をする。

3番目は、先行研究のレビューに基づいた合理的な予想であれば、間違っていないはず。可能性としては、先行研究で「常識」と思われていたことが実は「常識」ではなかったということ。もしくは、先行研究のレビュー不足で見落としている先行研究がある可能性。これは、引き続き、先行研究を調べ尽くすしかない。

4番目は、ある意味、3番目とつながるが、これまで誰も予想しなかった要因が潜んでいて、それがこの実験で出てきたということ。つまり、これは「新しい発見」への糸口となる。これが、本物かどうかは、2番目と3番目の可能性をひとつずつつぶして(確認して)いくしかない。

いやー、おもしろいことになった。しかし、そもそもこの話がおもしろくなるかどうかは、1番の実験方法がしっかりしていなければ話は始まらない話だ。そういう意味で、ちゃんとした実験をすること、信頼できるデータをとることが基本だ。それさえとれれば、出てきた結果は「事実」であり、それが予想に合っていればうれしいし、逆に、予期せぬ結果が出れば、それはそれで、新しい発見への糸口となってうれしいことだ。

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