視線計測を用いたドイツ語連語表現の処理に関する研究

LET中部中部支部第80回研究大会

大会サイト:http://www.letchubu.net/modules/xpwiki/?%C2%E880%B2%F3%BB%D9%C9%F4%B8%A6%B5%E6%C2%E7%B2%F1


発表会場:第3室(1階会議室B)
発表時間帯:4番 15:00-15:30

視線計測を用いたドイツ語連語表現の処理に関する研究
―母語と第二言語におけるコロケーション知識の相違について―

杉浦正利 (名古屋大学)・成田克史 (名古屋大学)・藤村逸子 (名古屋大学)・
山下淳子 (名古屋大学)・梁志鋭 (名古屋大学)・坂東貴夫 (名古屋大学大学院)

母語と第二言語におけるコロケーション知識の相違を明らかにするため,ドイツ語の連語表現を対象に視線計測装置を用いて行った実験について報告する。

実験では,連語表現(「形容詞+名詞」)の共起頻度が高い条件と低い条件を設け,ドイツ語母語話者6名と日本語母語ドイツ語上級学習者6名を実験参加者として,頻度による凝視時間の違いを観察した。実験文は高頻度と低頻度の14ペア,28文を使用した。

例. Ein Vogel fliegt am [blauen Himmel / stillen Himmel] südwärts.
訳:鳥が[青い空(高頻度) / 静かな空(低頻度)]を南へ飛ぶ。

ウィルコクソンの符号順位検定を用いた分析の結果,母語話者では,条件間で凝視時間に有意差が見られたが,学習者では有意差は観察されなかった。この結果は,学習者が母語話者ほどコロケーション知識を持っていないということを示唆していると考えられる。

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