修士論文作成上の注意(もちろん博論でも)
論文の構成
リニアに並んでいて、前から順番に読むが、
1. 序論 2. 先行研究 3. 実験 4. 結果 5. 考察 6. 結論
同心円構造になっている。
- 1. 序論
- 2. 先行研究
- 3. 実験
- 4. 結果
- 5. 考察
- 2. 先行研究
- 6. 結論
書く順番
中心(自分がしたこと、3.実験・4.結果)から書く
- 3.実験と4.結果
- 結果は実験結果だけを簡潔にまとめる
次に、その前後の、2.先行研究と5.考察
周辺(1.序論と6.結論)は最後
書く心構えのコツ
新聞記事をイメージして、淡々と事実を書き連ねてください。
- 淡々と、実験方法と実験の結果を書くところから始めましょう。
文章の構造と流れ
要素を関係でつなぎ、構造を持たせる。
話の流れが見えるようにする。
- 流れがなく、文が並んでいるだけでは、読んでも何が言いたいのかわからない。
- 本筋が途切れないようにする。
- 本筋からずれるが言及しておくべきことは注にする。
パラグラフの構造
何についてのパラグラフかを明記 (Topic sentence)
- 何のために
- 何をどんな順番で言うか、を最初に書いておく
内容を整理、ポイントは三つに絞る
パラグラフで伝えたかったことをわかりやすくまとめる。(Concluding sentence)
- 根拠に基づき合理的に判断する。
英文の流れ
旧情報に新情報を付け足すように書く
- 文頭や主部より述部に新情報がくるようにする。
- 長すぎる主語はよくない。
一般論で大枠を述べてから具体的に話を詰める From General to Specific
- 犬とは、動物で、足が4本あって、尻尾があって、ワンと鳴く。
文単位で和文英訳をしないように
- 文単位の翻訳は前後の流れが見えなくなる
英語表現
修士1年生の時から、論文を読むときに、自分の論文で使えそうな表現をメモしておく。
集めた表現を「機能別」に整理しておく
- 例を導入するときの表現
図表
ページをまたがないように配置
出来上がりの時に、ページの上か下に寄せる
- ページの真ん中に図表を置かない
スタイル
原則APAのスタイル
例外的にかえてよい
- 節番号を付ける
細かいこと
地の文でない表現・単語は、APA6ではイタリック、APA7では引用符
文頭の数字は単語で書く
- × 11 people got together.
- 〇 Eleven people got together.
してはいけないこと
だらだらと事実だけしか書いてないパラグラフ
- 何が言いたいかわからない
- 根拠だけ書いて、合理的判断がない=言いたいことがわからない
2ページにまたがる図や表
- 最悪なのはタイトルだけ別のページになっているもの
序論から論文を書き始めること
スタイルの不統一
日本語の文がすけてみえる英文
- 日本語の文を単語だけ置き換えて組み立てた英文
何度も同じことを説明する
何を指しているかわからない代名詞
- 自分で読み返すときに、すべての代名詞が、自分が意図したもの以外の解釈の可能性がないか確認すること。
- 解釈の揺れがありそうな場合は、the + 名詞 に書き換える。
事実を書いているのか判断を書いているのかわからない文
推測しかできていないのに、それを根拠として、次のステップへ話を進めること
推測ばかりの「考察」
- 「考察」は、事実に基づいて、合理的に判断していくこと
- 解釈の可能性ばかり並んでいても、議論が進まない
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